2016/12/3(土) 第8回慶友野球セミナー@群馬県館林市

「怪我からの復帰とプロ野球の世界について」 館山 昌平選手 東京ヤクルトスワローズ

  • 自己紹介 (35才)
    • 小学のとき、キャッチャーで8番
    • 中学のとき、ピッチャーで4番手
    • 高校では、ベンチ入りを目指して、日大藤沢高校、日本大学に進学。ヤクルトに3巡目で入団
    • スター選手では全くなかった。野球が好きで、努力し続けた結果。小中の同級生はビックリしてる
    • →大学通算たった8勝 → 同期の村田をスカウトが見に来たときに、必ずブルペンでアピール。
    • →大学時代、肩の手術をきっかけに、ウェイトトレーニング。プロ後、横投げに。
    • →三振よりも、内野ゴロをとるために、肩/肘を守るため、上投げから横投げに変更。
  • 手術
    • フォームをキレイに、投げすぎないこと(小:50球/日、200球/週)。
    • →投げ方は自由。真っ直ぐ立って、足をまっすぐ出しておけばよい。
    • 靭帯と筋肉まで剥がれて、肘痛。米国だと復帰は20%。
    • 肘を守りながら投げていて、可動域が狭くなった。今年は可動域をもとに戻すことを実施。
    • 肩/肘の手術は、計7回。ケガをしても、現代は復帰可能。ケガ = マイナスイメージは変わってきてる。
    • 再発しないように、焦らずにゆっくり直して、復帰すればよい。
  • リハビリ
    • ピアノ (小学生のときもコンクールで伴奏してた。指先のトレーニングにGood)。指先が繊細。
    • →ボールを振ると、重心のズレがわかる。重心がズレてる場合はフォークなど使い分けてる。
    • 筋肉でスピードUPすることは証明されている。
    • 子供たちの痛みも、しっかり細かく聞いてあげることが大事。痛みがあれば、必ず専門家へ。
  • 投球フォーム
    • ボールの握りは、三角形で持つ。2本指はくっつける必要なし。個人差がある。
    • 試合前は、36球。スライダー外/内、まっすぐ、カット、まっすぐ、チェンジアップ...ルーティン
    • 高校時代 上手投135km。 プロ後 肘を下げて横手投げ・球種豊富に。
    • →140km/h投げるのは、目つぶって右手を後ろに20kgの鉄板をバンとされる負荷と同じ。ケア大切。
    • マウンドで心を落ち着かせるには、試合前日に、1試合分のイメージをシュミレーションする。
    • →1度打たれるイメージと、打ち取るイメージを両方する。試合では想像済みなので慌てない。
    • →ピンチのときは、マウンドを外して、周りを見る。
  • 大事なこと
    • 柔軟体操」が一番大事! ※少年野球であまり教えられてない!小学生から一番大事なこと。
    • →プロでは、1時間以上、TV見ながら・話ながら、ゆっくり柔軟体操している
    • →みんな体が柔らかい。バレンティンでもみんなやってる。全ての関節を伸ばすことが一番大事。
    • 食事」(朝と昼はお肉+野菜をとにかくたくさん食べる。夜は寝るだけなので腹八分で睡眠取る)
    • 筋トレは高校生以上から!」小中ではやってはだめ。骨が出来上がってからでないとケガする。

「少年野球肘にどう対応し予防するのか?」 徳島大学整形外科 松浦哲也 准教授

松浦先生_野球肘.pdf
PDFファイル 1.4 MB
  • 自己紹介 (48才)
    • 野球肘の研究を26年 (野球好きで研究し続けた結果、医者に)
    • 現在、徳島県の全少年野球選手を検診してる
    • 1982年 池田高校やまびこ打線で全国制覇 (9割打撃練習。1人200〜300球打撃練習。)
    • →スポーツは人に感動を与えることができる (中2のときに強い体感)
  • 多発する野球肘
    • 大人でいえば重労働と同じ。骨が砕けている。
    • 正常に、曲げ伸ばしができなくなる。私生活にも支障。
    • 1981年から、少年野球検診開始。
    • →毎年夏の野球大会会場の横で、仮設テントで全員エコー(=超音波)検診 (5〜10分程度)
  • 検診
    • 【趣旨】
    • 検診とは「特定疾患(骨軟骨腫症)の早期発見」
    • 大会の抽選会で、代表者が集まるときに、検診の趣旨を説明。大会冊子でも説明掲載。
    • 【1. アンケート】
    •  小学生が自分で記入できるもの
    •   →肘(30%)、肩(20%)の痛みがほとんど。中学生になると肘/肩の割合が逆転。
    • 【2. 1次検診@仮設テント】
    •  大会横の仮設テントで、1人5分でエコー、身体所見による検診
    •   →1,500人を3日間でスタッフ50人(医師/検査技師/医学生/トレーナー)で対応
    •  
    •  骨軟骨障害
    •   →初期11才(90%治る)、進行期13才(50%治る)、終末期14才(=ねずみになると要手術)
    •    →小学生から検診大事。初期・進行期では手術なし(=保存療法)で治る。
    •    →初期は痛み感じる人は半数以下。従って、超音波(エコー)検査が重要。(初期に発見可能)
    •    →野球障害の場合は、病院に連れていくように母に伝える (父・指導者は病院に連れて行かない)
    • 【3. 2次検診@病院】
    •  スポーツ障害
    •   →繰り返しの微小外力で生じる (野球肩、野球肘、疲労骨折など)
    •  レントゲンでみる骨の成長
    •   →小中では全く骨ができてない。(骨ではなく軟骨の状態。軟骨はレントゲンに映らない)
    •   →高校生になってようやく骨端線が大人同様に整う (筋トレはそこから)
  • 投球障害の要因
    • 投球過多 (=投げすぎはダメ)
    •  骨軟骨障害の発生率
    •  →投手(40%)、捕手(35%)、野手(10%)
    •  →小学生は「全力投球数を50球/日、200球/週」以内とすること
    • 柔軟性低下 (=ストレッチが大事)
    • ボールの握り方
    •  母指尺側握り (三角形で握ること) 
    •  肩・肘への負担が大きいため、握り方大事。※小学生のときに握り方決まってしまう!
  • 要チェックのこども
    • 1週間に3日間以上スポーツしている
    • 痛みをくりかえしている
    • 2〜3週間以上痛みが続いている
    • 関節の動きに左右差がある
  • 野球の未来は?
    • 野球少年の減少は野球障害を引き起こす
    • →少人数だと選手が休めず負担増 → 野球障害の負のスパイラル

「ラテンアメリカ野球から学ぶ選手指導・育成」 阪長 友仁 氏

  • 自己紹介
    • 新潟明訓高校、立教大学卒
    • 世界で野球に関わる活動中
    • NPO法人BBフューチャー・プロペクト株式会社 国際事業部長
  • ラテンアメリカ野球の何がすごい?
    • MLB輩出数!
    •  →ドミニカ共和国 1,000万人から、2016年MLB選手134名!
    • 世界最高峰MLBのスーパースター!
    • なぜ?
    •  →ハングリー精神+身体能力がちがうから?
    •  →...ということは小学生のときから上手いの?日本人はムリなの?
  • 何のために野球をやるのか?目的は?
    • 【日本】
    •  高校野球で勝って甲子園に行くため。
    •  大学・社会人野球・プロ野球。
    • 【ドミニカ】
    •  学校の部活はない。クラブチームのみ。
    •  16〜18才以上、メジャーのアカデミーで野球契約。18才以上、渡米。
    •  「みんなメジャーリーガーになるため」(従って、20代までは絶対にムリさせない・しない
    •   →ケガしては意味ない。指導者も選手も各年代で何が大事か、25〜30才でベストに持っていくため
    •   →即戦力という言葉が存在しない。プロになって育成・成熟していけばよい。
    •  
  • ドミニカの年代別の練習・試合
    • 16才未満
      • 投手:変化球・速球への対応とか細かいことは、20代になってからでいい。
      • 打者:真ん中にきた速球を力強くスイングできればいい。
      • 野手:逆シングル、バックトス、グラブトスが基本。いかにとってから早く投げられるか。
    • 16〜18才 (30球団)
      • 試合形式
      •  →トーナメントはなし (=トーナメントは負けられないためエース/主力で勝ち上がるしかない)
      •  →72試合リーグ戦 (週4を毎週)。75球制限/連投禁止。 (=エース1人では勝てない。プロと同じ)
      •  →あくまで将来メジャーで活躍するため、絶対にムリさせない。(=つぶれては目的達成できない)
      •  →ストレート・チェンジアップくらい。
      •  →スライダー、フォーク、カーブなどは負担かかるので、この時期では投げない。(将来のため)
      •  →野球は同じ相手同士が試合をしても勝ったり負けたりの偶然性の高いスポーツ
      •   (プロ野球でも4勝3敗ペースくらいで優勝。特定選手負担削減のためにもリーグ戦が良い)
      • 短い練習。長期休暇もあり。
      •  →練習中・バッティング中にいろいろ指導しない。選手が思ように自由にやらせてる
      • 試合の勝ち負けは関係なし
      •  →投手はストレートをストライクゾーンにどんどん投げる。(変化球は20代でよい)
      •  →打者はストライクをフルスイング。結果は気にしない。プロでも7割は失敗。
      • 指導者 (これが仕事。毎日野球指導。)
      •  →給料ゼロ。指導した選手がアカデミー契約したら、契約金の30%が指導者に入る。
      •  →契約はあくまで「将来」活躍できる選手が選ばれる。なので投げすぎの子は契約されない
      • 契約にあたり評価ポイント
      •  →野手は持ち替えの速さ。ゆるいゴロを素早く投げる。
      •   →子どもたち自身でどうやったら早く投げれるか自由にやらせる。
      •   →こうやれ!という指導はドミニカでは一切、打撃・野手練習でも聞かれない
      •   →なぜなら、いま出来なくていいから。自分で考えて将来できるようになればいいから
      •  →投手は速球をストライクゾーンに(変化球多投は将来ケガするので契約されない)
      •  →打者はストライクゾーンを低い打球をセンター中心にフルスイング
    • 小中学生
      • 子どもたちのおもうがまま
      •  →こうしなさい、あーしなさいは絶対に言わない。
      •  →こどもたちが自由にやる環境をつくるのが指導者のしごと
      •  →誰も結果を急がない!答えを教えない! (甲子園で活躍した選手はそのあと活躍してない)
      • 三振もエラーもお構いなし
      •  →おもいっきりふればいい。短く持ってコンパクトとかこの時期に不要。
      •  →将来、伸びるためにやってるのである。
      •  →プロでも3割、7回は失敗する。失敗のほうが多いのが当たり前!
      • 良いプレーは喜ぶ
      • 勝っても負けても楽しむ
      • 指導者は絶対にネガティブなことを言ってはダメ
      •  →なんでできないんだ!だからだめなんだ!とか絶対ダメ!
      •  →次はできるぞー。いつかできるぞー。みんな7割は失敗だから、そのうちできるぞー。
      • やりすぎない (2時間の練習で十分。午前中もしくは14時には完全帰宅)
      •  →子供がもうちょっとやりたい!ということで帰す。(もっと投げたい、打ちたい)
      •  →そうすれば、子供はあしたもイキイキと来る。
      • トーナメント制が選手をつぶす
      •  →常に勝つことが求められるため、エース/主力のみで戦い潰れる。将来活躍できない。
    • 日本人がしてしまっている錯覚
      • 上記をみて、ドミニカは「ハングリー精神+身体能力」だけで片つけでよいのか?
      • ムダな動きをなくす練習、子供の持っている力を最大限活用する練習を、指導者がつぶしてないか?
      • 野球は体の大きさではない。自分の身体をうまく使う能力と速さだ!
      • ドミニカの子供も日本で野球をやってると、同じように成長できたか?
      •  →おそらくNO。育成が大事。
      • 日本人にもできるはず!
      •  →堺ビックボーイズで取り組んでいる (BBフューチャー)
      •  →グラブトス/バックトス、子どもたちがどうやったら素早く投げられるか自由にやらせる
      •  →チーム内で球数制限/連投禁止。トーナメントで負けてもつぶさないため。
      •  →14時にはぜったい練習終わる。続きはまた明日。
      •  →意味のない声出し、指導者からプレッシャーなどすべて廃止!
      •  →筒香・森を輩出した強豪だったが、誰も大学以降で野球をやりたがらなかった。
      •  →今ではみんな楽しんでやり続けている。結果が出始めている。
      •  →個性が大事。型にはめない。才能・個性をつぶさない。自由に可能性を大事に。
      •  →20代まではとにかく自由にやらせて!
    • 次回以降、「指導編」
      • ドミニカも2%しかメジャーにあがれない (98%はみんな違う道に)
      •  →しかし、指示待ち人間などいない。みんな自ら取り組む姿は何をやっても同じ。
      • ブログ: http://sakanaghana.blog.fc2.com/
      • 堺ビッグボーイズ: http://bb-future.net/

DeNA筒香:堺ビッグボーイズのスーパーバイザーに就任

  • ニュースリンク
  • 目的
    • 子供たちを「前向きに」「積極的に」「失敗を「恐れずに挑戦するように」育てる
  • ポイント
    • 中学時代過ごした堺ビックボーイズでは、怒鳴られたり、何かをやらされたりした記憶はない
    • いまの野球教室などで感じた物足りなさ「常に指示を待っているな、という感じ」
    • 大きく羽ばたく環境を整えることがことが大人たちのやるべきこと
    • プレーが小さくなったり、発想が小さくなったりさせずに、子どもたちに考えさせる
    • 今勝った負けたということより、将来どうなっているかっていう方が圧倒的に大事
    • 指導者に求める我慢「言いたくなると思うけど、言わない勇気はすごく大事」


バットのご紹介